岡バラ通信 Vol.9「工業製品から学ぶ人体のお話 Part.2」

前回のお話で「魚釣りで使用するリールという道具でメンテナンスの重要性」を語っていきましたが、今回はもうちょっと踏み込んで、「スピニングリール」という道具を組み立てる際に重要な要素が、私達が施術を行う際の考え方に非常に関わってくるという話をしていきます。

まず、物すごくザックリとした説明になってしまうのですが、スピニングリールというリールの、まさに中心を通って、軸となっている部品が「メインシャフト」です。
組み立てのときに、このメインシャフトをちょうど真ん中に配置し、まっすぐになるよう組み立てなければ、リールを巻いた際、シャラシャラと音が鳴ったり、巻きが重くなったり、コツコツなにかに当たる音がしたり…
まったく釣りに集中できないどころか、パーツ同士が擦れたり、無理に回転させて故障したりしてしまいます。

では、どうやればメインシャフトをちょうどいい位置に配置させることができるのか?

それは各パーツの当たり方であったり、各ネジやボルトの微妙な締付の強さ等々、実際はメインシャフトよりも他の部品や組み立て時の要素が関係してくるのです。

つまり、不具合が出やすい、不具合を確認しやすいなど、その物を象徴する箇所というか、「ここだよ!」と主張してくれる箇所は、こういった工業製品であっても、電子機器であっても、そして人体であってもあるものなのです。

しかし実は、その「主張している箇所」を正常な状態にしてあげるには、もっと違う箇所、要素をいじって正してあげなければ、全体的な解決にはなりません。

しかも、我々が普段接している主な物とは「人体」です。
何かに動かしてもらって始めて可動する機械や道具ではなく、それぞれが自分自身で動き、様々な情報を取り入れて生活しています。

我々も痛みや不快感を発信している箇所ばかりに注目するのではなく、他の要因や状態に注視し、1人1人に向き合って施術をしていきたいと考えています。