岡バラ通信 Vol.19「草間彌生さんのお話」

先日、芸術家の草間彌生さんが亡くなられました。
彼女の数々の作品には、点や丸、網目の集合体のような作品が多く、
美術センスゼロ日本代表の私にとって、「なんなんじゃこれは…」と理解することは到底難しいものでありました。

しかし草間彌生さんの作品を眺めていると、あくまでも私の主観ではありますが、
ある時のお師匠さんの言葉が脳裏に蘇ってきます。

それは「人とは、兆を超える粒つぶの集まりでできている」
これは人を形成している細胞の数の話しなのですが、お師匠さんは、人を筋肉や骨、関節など、
いわゆる解剖学的に観るのではなく、もっと小さな細胞の集まり、
つまり物理的なものとして観ると色々な発見があると教えてくださいました。

草間彌生さんは幼少期から、
世界が水玉や網目に見える幻覚や花や犬に話しかけられる等の幻聴に悩まされ、
その恐怖や精神的圧迫から逃れるため、あのような絵を描くようになったそうです。

ここで草間彌生さんのエピソードを聞くと、お師匠さんの粒つぶの集まりの話を思い出すようになり、
「もしかして草間彌生さんは、無意識に物体をそういった視点で捉えていたのではないのだろうか?」と考えるようになりました。

実は草間彌生さんは幻覚を見ていたのではなく、
もっとこう、物質を形成している源が見えてしまう能力の持ち主だったのではないかと。

そんなことを私は想像して、草間彌生さんの絵を素晴らしいと感じ、
勝手に感動しているわけであります。

私ももう少し美術センスを磨き、人の体を小さい粒子の集合体のように観ることができるよう、
精進してまいりたいと思った今日この頃でありました。